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2008年3月10日 (月)

遺品

母が歳をとってからやっていたことは、俳句とコーラスと老人会の仕事だった。

コーラスは80歳ごろまでやっていたが、その後歌えなくなったのであろう、やめたけれど、先生が私たち子供の音楽の先生だったし、伴奏者は私の友達のお母さんということもあって、よく話題にしていた。

お葬式のあと、2日間は私は残された膨大なものの整理に追われた。弔問客が来られて応対するとき以外は、食べる時間も惜しむくらいに熱中した。

そのうち出てきたのは、老人会の会計簿と俳句のノートだった。老人会の会計は何年もやっていたようだった。

70才から15年間続けた俳句の2冊のノートは、びっしりと書き込まれ、かなり熱心に勉強したあとがうかがえた。

私などは終わったあとは、きれいさっぱり処分してしまうのだが、母は物ダメが良く、過去を断ち切れない性分で、整理下手でもあるのだが、驚くほど昔のものまでとってあった。

そして、資源ごみ、不燃ごみ、友愛セール用衣類・食器類、ボロ、燃えるごみ、と区分けした袋がいくつも出来上がった。

つくづく、一人の人間の歴史の長さを感じる。

母が大切にしてきたものも、無情な娘は容赦なく捨てている・・・・・。

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