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2008年4月11日 (金)

母が遺したこと

母が難儀していたことの一つは”尿モレ”であった。

ある日、「つれーことになっとんじゃ」と情けなさそうに言った。パンツの上にパットを付けていた。

夜中は3回くらい起きてトイレに行く。私は、”これじゃ毎晩ぐっすり寝られないだろうな”と、”こんなになって生きるのもしんどいなー”と思ったりした。

94才でなくなった姑もこれに悩まされていたようだった。

というのは、姑が亡くなって、部屋を整理したら、押し入れの中からダンボールの箱が10個くらい、中にはトイレットペーパーを何重にも畳み込んでパットぐらいの大きさにしたものがビッシリと詰めてあった。

そういえば、亡くなる数年前、デイケアに通っていた頃、ダンボールの空き箱が出れば、「使うから」と部屋に持っていった。息子にトイレットペーパーを買いに行くから車で連れて行ってくれと頼んだりしていた。ピンクと白の2色できれいに丁寧に作られていた。

これほどに、尿モレということが恐怖になっていたのだろう。部屋でせっせせっせと、こういう作業をしていたのだ。

押し入れの中に、貯められるだけ貯めたら安心したのだろう、暫くしてその行動はなくなった。

私もすでに、夜中1回トイレに立つ。昼間も回数が多い。切実になってきた。

たまたまNHKの『ためしてガッテン』の再放送を見たら、尿モレ対策の骨盤底筋体操を紹介していた。

尿モレがある70才以上の人でも3ヶ月で完治する、という効果てきめんの体操のようだ。

私の老後の不安を取り除くために、今から骨盤底筋を鍛えておかなければならない。また一つ日課が増えた。

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