公園の世話人

近所の７６歳の男性が亡くなられた。

煙草はまったく吸われなかったのに、肺がんだった。

奥さまの話によると、病気になったのは、もう数年前からで、自宅で普通に過ごしていられた。医者には、急変することがある、とは言われていたそうだ。本人もご家族も「このまま長生きできるのではないかと、思っていた」そうだが、２ヶ月ほど前、急激に悪化して帰らぬ人となった。

この方の家は、うちと同じ、家の裏側が公園に面している。

公園の前の広い道路には、よく、車が停まっており、心無い人がゴミを落として行ったり、公園の中で遊んで、ゴミを持ち帰らない人も多い。

この方は、よくゴミを拾い集めて処分してくれていた。時には、エンジンを掛けっぱなしの運転手に、エンジンを切るように言ったり、公園の世話人のような感じだった。

私もたまには、家に近いところのゴミを拾い、共に、マナーが悪い人達のことを憤ったりすることもあった。

目にしたゴミを、”そのうち誰かが”と見過ごすのではなく、習慣的に自らがゴミ拾いをする役を買って出ることは、なかなかできない。

地域のためにありがたい人だったな、と思う。