腕時計のバンド
亡き母がいつもはめていた腕時計を使うことにした。
私のはバンドが金属製で、夏は汗で金属の色が黒く付くので、夏ははめないことにしていた。
それで、母の古く傷んでいた皮バンドを新しいのに取り替えて使うことにした。
時計屋さんで、「これに合うバンドを見せて下さい」と頼んだら、引き出しにいっぱい入っている中から、黒色と紺色のと、ほんの3つばかり出してくれた。
私が、黒色で両側にステッチがあるのを、「これ、どうでしょうか?」と聞くと、「それはカジュアルですから」と、つや消しの黒のを「これが一番いいでしょう」と、自信ありげに選んでくれた。
”そうか、このなんでもないような色が上品で、私に似合うと思ってくれたんだな!”と、店員さんのセンスを尊重して、ほかのを見ることもなくそれに決めた。
後日、同級生6人のメンバーで集まったとき、4人が時計をはめていたが、全員、似たような黒色のバンドだった。
それで、思い至った。店員さんは、”ただ、年齢にふさわしいのを選んでくれたのだ!”と。
それなら、もっと、色々出してもらって、あれやこれや、ねばってやればよかった、などと思ってしまった。まあ、今ので気に入ってはいるのだが。
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