お茶会で身につまされた話し
内輪だけの、小さなお茶会が催された。
大勢のお弟子さんを育てられ、慕われていた先生が亡くなられて、17回忌ということで、昔の生徒さんたちに呼びかけ、初めて行われるものだった。
先生がお弟子さんだった、いわば孫弟子にあたるのは私だけだった。
違う先生について、ずっとお稽古している人たちや(師範になり、最終の免状まで取っていても、必ず親先生について習っていなくてはならない決まりがある)、止めてしまっている人たちも見えた。
17年ぶりにかつてのお仲間に会った、70才くらいの人が話しをされた。
「買い物に行って、荷物が少し重いので、ドッコイショと肩にかけたら、すこし痛かった・・・そのまま痛みが続くので、翌日、病院に行ったら、肋骨にヒビがはいっている、と言われてびっくりした。コルセットを付けているんですよ」ということだった。
また、もうひとりの同じくらいの年齢の人は、「看護婦時代の同僚で、定年後はどこへ行くにも、いつも一緒だった、長年の友達が亡くなって、すっかり張り合いをなくしてしまった・・・親以上の存在でした・・・いつも、このあたり(肩の上)にいるような気がしています・・・糖尿病になり、カロリーがオーバーするので、お菓子はまったく食べられません」と、注文したお弁当も、ご飯は全部残された。
「それで、毎日、孫の世話だけじゃあ、余りに空しいので、これから又、お煎茶を教えて頂こうと思います」と、言われた。
そのあと、72才になられる、私の先生が、「乳ガンの手術と、脳腫瘍の手術をして、脳腫瘍の回復期に家の廊下でフラついて、肩を骨折し、その後、腕を骨折した」と、度重なり襲われた病気とケガの話しをされた。
ひとりの人が、こんなにも次々と痛めつけられるなんて!
健康で、友達に恵まれて・・・と。
老年になると、これらが、すこしづつ欠けていくことは、さびしく、つらいものに違いない。
私よりすこし年長の人たちの、身につまされるお話だった。
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