むつかしい年頃
ピアノを親子で習っている人がいる。
発表会には親子とも出演された。
一人っ子のお嬢さんは中学2年生。お母さんが「毎日、親子ゲンカですよ」と言われる。
隣に座って見ていると、お母さんは娘が可愛くてしかたないようだ。お嬢さんがちょっと前屈みになったとき、胸元が少し見えた。
慎み深いお母さんは、あわてて、お嬢さんの胸元を直してあげようとした。そうとは知らないお嬢さんのほうは、世話を焼かれるのがいやのようで、お母さんをにらみつけた。
そして、演奏が終わって、写真撮影のとき、写真屋さんから「髪や服をきれいに整えてください」と声がかかると、お母さんは後ろから、お嬢さんの服を形よく直してあげようとした。
すると、また、にらまれた。
中学生の頃の女の子は反抗的で、気難しい年頃なのだ。
お母さんは、おとなしくて、とても優しい人である。今は親子ゲンカではなく、うるさがられているだけに思える。
でも、今に、お母さんの優しさを、数々の思い出と共に、”大事に育ててもらった”と思い起こすことだろう。
そして、その時は、お母さんをいたわる優しい娘さんになっているはずだ。
自分の中学生時代を思い起こしてみても、そう思う。
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