人生の成績表
毎日新聞の『悼む』という欄から。
先日亡くなった筑紫哲也さんがいい言葉を残している。
1年前、肺ガンの放射線治療を終え、しばらくした頃、記者のインタビューを受けた。
退院して奈良・薬師寺の菩薩を見に行ったそうだ。「・・・・生きている間にこういう物を見られて良かった、というありがたさを感じて。そう思いながら味わえる何日かがあるのは、ぱたっと急に逝くよりいいんじゃないかって思うんです」
「先が限られると、きょう一日でも何でも・・・・、大事というのともちょっと違うんだけど、お墓には何も持っていけないですから。で、残るものは何かというと、どのくらい自分が人生を楽しんだか、それが最後の成績表だと思うんです」。
無いものは感じようもないが、わずかでも興味を感じるもの、感動を呼び覚まされるものがあるなら、自分自身の豊かさの幅を広げるために、惜しまずその機会を作るべきではないかと思う。
歳とともに衰えるかもしれない能力の低減とは別に、過去の歴史のすべてを背負った、今の自分自身への満足度が、つまり成績表だと思う。
この成績表には、人との関わりも評価に入れなければならない。
★他人を傷つけたりしなかったか ★常に人に思いやりを持って接することができたか
こういう項目も入れよう。そうしたら、まだまだ私の成績表はアップさせられる。
私の学生のころの勉強の成績表はろくでもないものだったが、自分でつける人生の成績表も、未だに感心できるものではない。
でも、一生をかけて、いい成績表を作り上げたいという目標を持つのはいい。
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