珍妙な出来事
珍妙なことが起きるものである。
岡山へ旅立つ日、早朝に起きて、私は主人と別行動で、一番に、岡山の北部にある高梁市の友達の家を訪ねることにしていた。
気忙しく支度をしているとき、テレビを見ていた主人が、「これを見ろ」という。
目を移せば、これから会いに行こうとしている友達の顔が大写しで画面に現れたではないか。
NHKの「おはよう日本」という番組の中で、『闘茶会』を紹介していた。まだ早朝5時半だった。
友達の顔が何度も、、、ご主人も「月1回の闘茶会を楽しみにしている」などと、話されているところが映し出されていた。
友達の家に到着して、「今朝、お目にかかりましたよ」と告げた。
1月に取材に来て、そこでは既に放映されていたので、関東のNHKテレビで放映されるとは知らなかった、とご夫婦とも驚かれた。
改めてビデオを見せてもらった。
テレビの中では、お茶屋の奥さんが、「男の人だけがすることになっていて、私はいつもお茶を準備するだけだったんですが、いつか自分も参加したいと思っていたんです」と話されていた。女性が参加するようになったのは、近年のことらしい。
”闘茶”とは、お茶の品種を飲み分けて勝負を競うことである。
その夜は、友達の家が当番で、「花鳥風月客」と5種の木札を各自が入れていく道具も見せてもらった。
古くから続く行事が、楽しみと、家々をつなぐ役を果たしていることに、昔の人の粋な遊び心と知恵を感じた。
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