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2011年4月11日 (月)

八角蓮

毎日新聞の日曜版で、フードジャーナリストの平松洋子さんのエッセイの連載が始まった。

『ぬくい風に誘われ・・・』という表現があった。

”あ、やっぱりこの人は倉敷の人だ、方言を使っている!”と思って、少しうれしくなった。

でも、辞書を引いてみると、あたたかい・ぬるい、と、ちゃんと載っていた。

ときどきこちらでも通用する言葉かどうか、使いたくなるのをためらうことがある。

”あたたかい”よりは、”ぬくい”のほうが、少し湿り気をおびていて、やんわりと包まれている気がする。

子供の頃から「ぬきーな~」などと、使っていたので、なんだかホンワカした気分がよみがえった。

『すぼめた傘みたいな葉がてっぺんに一枚、空に向かって開いている。すがれた日陰にありながら、うぶな緑の輝きを放ってあえかに発光しているのだった。』と述べているくだりがある。

<すがれる>は、<末枯れる>と書く。

これほどに巧みな言葉で表現される《八角蓮》とはどんな植物なんだろう、と植わっているところを見たくなった。

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