八角蓮
毎日新聞の日曜版で、フードジャーナリストの平松洋子さんのエッセイの連載が始まった。
『ぬくい風に誘われ・・・』という表現があった。
”あ、やっぱりこの人は倉敷の人だ、方言を使っている!”と思って、少しうれしくなった。
でも、辞書を引いてみると、あたたかい・ぬるい、と、ちゃんと載っていた。
ときどきこちらでも通用する言葉かどうか、使いたくなるのをためらうことがある。
”あたたかい”よりは、”ぬくい”のほうが、少し湿り気をおびていて、やんわりと包まれている気がする。
子供の頃から「ぬきーな~」などと、使っていたので、なんだかホンワカした気分がよみがえった。
『すぼめた傘みたいな葉がてっぺんに一枚、空に向かって開いている。すがれた日陰にありながら、うぶな緑の輝きを放ってあえかに発光しているのだった。』と述べているくだりがある。
<すがれる>は、<末枯れる>と書く。
これほどに巧みな言葉で表現される《八角蓮》とはどんな植物なんだろう、と植わっているところを見たくなった。
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