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2012年6月13日 (水)

花束

ヒナが亡くなった翌日、獣医院から立派な花束が届いた。

お礼の電話をかけると、

「治療を始めてあんなに元気で長く生きられたのは、ヒナちゃんだけなんです。ほかの人へ、良いお手本になっていたんですが。申し訳ございません」

と謝られた。

そんなふうに言われると、やはり、良心的な獣医さんだったんだ、と思う。

1匹になった黒猫ルナは、今までベッドのある部屋はのぞくだけだったのが、今日は、私のベッドの上で昼寝をし、夜も眠りこけている。

ヒナの占有場所として、今までは譲っていたからなのか、それとも、ヒナの代わりを果たそうとしてくれているのか。

頭のいいルナの摩訶不思議な現象だ。

15年もの間一緒に暮らしたものが、無になってしまうのは、悲しい。

けれども、その期間とともに、小さいものが、ありたけの愛情を去り際に見せてくれたことは、心に深く残る。

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