孫たち
お盆には少し早いけれど、三男のところで休みがとれたので、一家でやってくることになり、二男一家も呼んだ。
子供たちにとって、いとこ同士でにぎやかに遊ぶのは楽しみなこと。
さっそく、からちゃんはたいちゃんに教えながら、百人一首の坊主めくりに興じていた。
三つ年上のからちゃんは、たいちゃんを上手に遊ばせる。
たいちゃんは、「からちゃん、からちゃん」と付きまとうだけでもうれしそうだ。
からちゃんのママが仏様にお供えするお花を買ってきてくれたが、からちゃんは、おばあちゃんにと、花束をプレゼントしてくれた。
そして後から、「からは、おばあちゃんに会いたいからきたんだよ」とませたことを言う。
「お花、長く持つかなあ・・・からは紫が好きだから、紫の花にしたの」
「おばあちゃんも紫が一番好きな色だから、毎日お水を取り替えて長持ちさせるね」と言った。
からちゃんから、こんなやさしい言葉が聞けるなんて・・・。
からちゃんが「鳥の声を聞かせて」と、おじいちゃんに頼んだら、おじいちゃんは「からちゃんにあげる」と図鑑と鳥の声が入った小さな器械を渡した。
すると、とまどっている。
「おじいちゃんが大事にしているものだから・・・」
そして、受け取った。
相手の気持ちを慮るほどに成長したことがうれしい。
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