歌舞伎観賞
年に一回、市内の文化会館で『松竹大(おお)歌舞伎』が催される。
東京まで行く交通費はいらないし、おまけに65歳以上はシルバー助成で千円割り引いてもらえる。
だからこのときばかりは、S席にする。
演目は「熊谷陣屋」と「女伊達」。
特に眼に焼きついたのは、市川笑也の女伊達が踊る長唄舞踊での妖艶な所作だった。
美しかった・・・。
文化会館のニュースに、劇団扉座の演出家、横内謙介さんと市川笑也さんとの対談が載っていた。
笑也さんは、海外の興行で「KABUKIってなんですか?」と尋ねられると、
「歌舞伎はみずみずしいエネルギーの燃焼である」と答えているそうだ。
「気をぱっと前に出すと観客がワッと盛り上がる。これが歌舞伎だと思っています」
私が今尚思い出す瞬間のあの美しい場面は、まさに笑也さんの気が最高に高まった瞬間だったのだと思った。
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