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2012年10月 5日 (金)

歌舞伎観賞

年に一回、市内の文化会館で『松竹大(おお)歌舞伎』が催される。

東京まで行く交通費はいらないし、おまけに65歳以上はシルバー助成で千円割り引いてもらえる。

だからこのときばかりは、S席にする。

演目は「熊谷陣屋」と「女伊達」。

特に眼に焼きついたのは、市川笑也の女伊達が踊る長唄舞踊での妖艶な所作だった。

美しかった・・・。

文化会館のニュースに、劇団扉座の演出家、横内謙介さんと市川笑也さんとの対談が載っていた。

笑也さんは、海外の興行で「KABUKIってなんですか?」と尋ねられると、

「歌舞伎はみずみずしいエネルギーの燃焼である」と答えているそうだ。

「気をぱっと前に出すと観客がワッと盛り上がる。これが歌舞伎だと思っています」

私が今尚思い出す瞬間のあの美しい場面は、まさに笑也さんの気が最高に高まった瞬間だったのだと思った。

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