ちぎり絵の色紙
中学の同窓会出席から思いがけない楽しい展開があった。
同窓会が終わって、美観地区と言われる大原美術館界隈をほっこりした気分で眺め歩きながら、
『友達の実家の”和紙や画材”のお店をのぞいてみよう』と思って行ったところ、さっき別れたばかりの友達がお店にいた。
友達はお兄さんのこのお店に自作のちぎり絵を出していて、売れるのが楽しみだそうなのである。
「じゃあ、私もお正月用のがほしいから」と、買うつもりだったのが、「あげたいの!」と、選んだ《福寿草のちぎり絵》をただでもらってしまった。
彼女も関東に住んでいて、「今度はあちらでお会いしましょう」と約束して別れた。
ところがしばらくして、「差し上げた色紙は、急いで作ってお店に出したので、自分としては気に入っていないものだったから、どうしても取り替えてほしい」という電話を頂いた。
それで、お互いの家から1時間ほどの中間の町で会うことになった。
「私たち仲が良かったよねえ」と、まるで、ずっとお付き合いをしていたような親しさで、話がつきなかった。
今度は、《福寿草》と《藤の花》の、二枚も頂いてしまった。
こんなふうに、いい加減にできない誠実な人と、偶然にも近い距離に住んでいることに、降って湧いたような喜びを感じている。
二枚の色紙は、特別な思いのこもった、大好きなものである。
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