松竹大歌舞伎
毎年この時期に1回だけ行われる『松竹大歌舞伎』は、市川亀三郎改め四代目市川猿之助襲名公演だった。
演目は「毛抜」では市川右近が、「義経千本桜」で猿之助が主役を演じた。
その間に襲名披露の口上が行われた。
10人の役者の何人かが、猿之助を讃える口上を述べたが、その中で、
「猿之助さんは書画、骨董などにも造詣が深いが、ひとを喜ばす壷を持っているのではないかと思っております」と述べた人がいた。
「義経千本桜」では、三代目猿之助のスーパー歌舞伎を受け継ぐ者として、一瞬のうちに舞台に現れたり、侍から狐に早変わりしたり、宙吊りもちょっと見せたりと、息を呑むばかりのあざやかな立ち回りであった。
狐の健気な細やかな動作で、まるで狐になりきったかのような仕草に、観客はかわいらしさに引き寄せられるようであった。
まことに猿之助さんは、体を張って、お客さんに喜んでもらおうと研鑽を積んでいると、思わせるものであった。
これを見たあとでは、誰しも猿之助ファンになったであろうと思われる。
| 固定リンク
最近のコメント