好きなもの

長男は何でもモノを大事に扱う。

私の筆入れを見て、「こんな金のカッターを一緒に入れて、ペンが傷つくやない」という。

大きめのイビサのペンケースの中には、大好きなデルタの万年筆、ボールペン、シャーペン、消しゴムと一緒に、昔ながらのステンレスのカッターを入れていた。

「傷がつかないようなカッターを買えばいいのに」

「そんなものあるの？」

「いくらでもある」

長男は、普段買い物好きで、いろんなモノをよく知っている。

数年前、私が勝手に買った洗濯乾燥機は、”風呂水２回すすぎ”というところが気に入って買ったものだが、乾燥は一度も使ったことがなく、すぐ後で長男から「同じ機種で洗濯だけのを買えばよかったのに」と言われ、何万円も損した、とほぞをかんだことがある。

街へ出かけたとき、文具も売っている大きな書店でカッターを探した。

いろんなタイプのカッターがあった。

色、デザインも、大きさも気に入ったオルファのプラスチック製のカッターに決めた。

ペンケースの中でのおさまりもいい。

このイビサのペンケースは外出のときは持って出ない。

外出用は、軽いペリカンのボールペンとシャーペンと消しゴムの入った小さいペンケースにしている。