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2013年8月13日 (火)

「幸せ歳時記」

吉沢久子さんは、94歳にして一人暮らしで、日々ゆったり豊かに暮らしておられる。

庭の木々に季節の移ろいを感じながら、花や野菜を育て、食べることを楽しみにして料理に手間を惜しまない。

それでも一人の食卓にはどうも手抜きが多いと自身を戒めておられる。たとえば、ミルクティの牛乳を、あたためもせずに牛乳びんのままで食卓に出したりすることがある、と。

誰が見ていようといまいと、食卓には品位が必要ということなのだ。

見えなきゃ楽をするほうがとく、などと思うのは品性からかけ離れていることになる。

そんなことを言っていたら、私の周りであふれかえっている手抜きを少しは見直さなければいけない。

自家製のトマトピューレで作るチキンライスとか、豚肉と小松菜を入れた里いもごはんとか、ささがきごぼうとトリのひき肉で作る炊き込みごはんなどは、おいしそうで、すぐにも作って食べてみたくなる。

特別な調味料などはなくて、野菜そのもののおいしさを十分に味わうような料理ばかりだ。

その季節にとれた野菜を、家族の思い出と重ねあわせながら料理をして、毎日を大切に生きていく。

本に「老いの達人」のタイトルがついている。”具体的な暮らしの中で気づいているはずの老いを、素直に受け入れないでいるとどこかに無理が出てくる”という。

世間からいやでも教えられる”高齢者”であることを自覚し、かといって自身を甘やかさず、上手に齢を重ねていくには、いろんな修練が必要なようだ。

私とは程遠いような気がするが。

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