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2014年1月16日 (木)

老犬

近頃は獣医学も進んで、犬も長生きをするようになった。

ウォーキングの途中で、若い柴犬と老いたビーグル犬を散歩させている知り合いのご夫婦に出会った。

「この犬はもう16歳になるんですよ。ボロ雑巾のようでしょう」と言われる。

かつて血統がいいとかで、白、茶、黒色がくっきりとして綺麗だった姿も、今は灰色に混ざり合って見る影も無い。

耳は遠くなり、若い息子さんには反応して、「おあずけ」もしているが、年寄りの自分たちの声には反応しないで、ご飯をやってもいきなりかぶりつく。

そして、昼寝でもしたら、朝起きた時と勘違いして、ご飯をねだるという。

困るのは、わけもなく吠え立てることだそうだ。

周りに住宅が少ないところだから、さほど近所迷惑になることはないだろうが、自分たちがうるさいという。

そんなことを語りながら、その人の家が近づくと、犬はさっさと横断歩道へ引っ張っていき、渡り始めた。

ご主人が「ボケても自分の家は忘れないで、こうしてちゃんと横断歩道を渡るんですよ」と苦笑された。

人も犬もボケると哀れで、ひとしお悲しい。

その後、私が薄暮れどきウォーキングをしていると、やたら甲高く吠え立てている犬の声がひっきりなしに続いていた。

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