原発ゼロ
毎日新聞論説委員の山田孝男氏が東京都知事選を前に盛んに原発ゼロ候補者への援護射撃を行っている。「小泉純一郎の”原発ゼロ”」という本も出版された。
1月27日の毎日新聞『風知草』で、ナチス被害者で哲学者のアーレントの言葉を伝えながら意見を述べている。
『世界最大の悪(600万人以上とされる20世紀のユダヤ人虐殺)は平凡な人間が行う悪なのです。そんな人には動機もなく信念も邪心も悪魔的な意図もない。人間であることを拒絶した者なのです』
戦時のホロコースト(大虐殺)と平時の原発事故に何の関係があるーといぶかる向きもあろうが似た側面があると思う。
思考停止のまま、未完の巨大技術への依存を続ければ時に途方もない惨害を招く。福島の原発事故を見よ。故郷を追われた避難民は約14万人にのぼる。自分さえ無事なら後は野となれ山となれ、という構えでよいか。
現実の戦争だろうと、経済戦争だろうと、巨大なプロセスに巻き込まれるうちにモラルが見失われ、人を人とも思わぬ判断が繰り返されることがある。
東京都は電力の最大の消費地だが、原発はない。核廃棄物の最終処分場は存在せず、計画もない。
アーレントは米紙への寄稿で『政治においては服従と支持は同じもの』だから・・・』
都知事選挙に限らず選挙に臨む有権者が胸に刻むべき言葉ではないか。
候補者も、連日応援に立つ小泉氏も、悲壮な決意のもとに、この機を逃したらとばかりに必死で訴えている。
私は都民ではないが、痛いほど気持ちが伝わってくる。
どうか≪原発ゼロ≫が実現しますように!!
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