蔡國強展:帰去来
〈横浜ランドマークタワー〉
少し暑さがやわらいだ一日、友達と横浜美術館へ『蔡國強展』を見に行った。
桜木町駅から”動く歩道”があり、それに乗って行くと”ランドマークタワー”の入り口が終点になっていてそこを通り抜けて美術館へ行くことになる。
蔡國強は中国を代表する現代美術家だそうだ。
壮大な絵画上に火薬を使って特殊な技術を施したもの。
壁一面が磁器で作った繊細な菊の花の立体的な壁画。
広い床面いっぱいに99匹のオオカミが群をなして空を疾走する迫力あるオブジェ。
これらを見ると、蔡國強という人のはかり知れない程のエネルギーが感じられる。
これだけ大きな作品でありながら、細部まで実に精巧に作り上げられているのは驚くばかりだ。
白磁の菊の花びらは、本物の菊をそのまま凍らせたような繊細さであったし、99匹のオオカミは、そんなはずはないと思いながらも、剥製かしら?と思ったほどだった。
ところで、会場で監視している係りの人も、これだけ世界的な作品を監視するに当たっては相当神経を使うのだろうと思った。
広い床いっぱいに配置しているオオカミは、計算づくで置かれているのだから、1匹離れた場所にいてもしかたがない。
その1匹に、壁面の小さい画に気をとられた人が、危うくオオカミに触れそうになった。
監視員さんが慌てて近寄り、遮ることができたが、ホッとして私と目が合った。
監視員の中年女性は、”ほんとうに目が離せないんですよ!”と言っているように苦笑していた。
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