「野火」
戦争文学の傑作といわれる大岡昇平の「野火」、ちょうど読んだばかりのところ、新聞で市内の小さなシアターで上映の案内を見た。
これは見なくてはと、どうせなら塚本晋也監督の舞台挨拶があるという日にしようと、行ったところが、「今日は監督の舞台挨拶があるので、前売り券を買われた人で満席です」といわれた。
普通の映画館と違って、シネマ・ドット・コムという会社が独自にフィルムを選んで配給を受けて小劇場で上映するというシステムのようで、客席は100席あまりで、気軽に入りやすい。
新しいのできれいで雰囲気もとてもいい。
二日後に早めに行って席についた。開演前ごろにはほぼ満席に近く、関心の高い映画だと思った。
監督は資金繰りに苦労しながら、どうしても現地でなければ撮影できない場面などは、実際に大岡昇平さんが戦争体験したフィリッピンのレイテ島へ、カメラマン一人を連れて、撮影に臨んだそうである。
本を読んで感銘を受けた後に、まざまざとその状況を映像で確かめられるというのは、私のような想像力不足な者にはそれを補ってもらえるし、また、本、映像それぞれの感動を味わえる。
これからは、見逃さないよう、監督の舞台挨拶の日をめがけて、前売り券を購入してから行くことにしよう。
大岡昇平の「俘虜記」を買って帰った。
| 固定リンク
最近のコメント