『おもかげ』
今、毎日新聞の朝刊で、浅田次郎の『おもかげ』が連載されている。
その中で建物の敷地内の配置を説明するのに、”まんまんなかに噴水がある”と書かれていた。”中央”でも”ど真ん中”でもなくて、あまり使われることのない”まんまんなか”だった。
浅田次郎さんらしいこだわりのように思われた。
昔、慶応大学の教授で、テレビで博識を披露していた池田弥三郎さんは、
「ど真ん中ではなく、まんまんなかが正しい」と述べておられた。
とかく”ど”がつくと言葉の品がよくない。生粋の銀座っ子である池田弥三郎さんには下品な言葉が許せなかったのだろうと思う。
『おもかげ』は、定年退職した男性が、家に帰る途中の電車内で倒れ、病院に運ばれる。
そしてICUで死が迫っている中、魂が抜けだし、孤児として施設で育った境遇に手がかりが得られそうな人や場面が出現する。
『おもかげ』は、毎朝、新聞を広げて、真っ先に読んでいる。
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