「秋の文学散歩」(2)
「市川市文学ミュージアム」では、今「断腸亭日乗」起筆百年を記念して、『永井荷風展』が開かれているところだった。
「断腸亭日乗」は雁皮紙にびっしりと丁寧に綴られていた。
荷風の周りにいた女性たちや、荷風が散歩するときのいでたちなどの写真を見て、ちょっと荷風の世界が感じられた。
「浦安市郷土博物館」では、浦安市に住んだ山本周五郎の『青べか物語』のべか舟が浮かべてあって、大勢のボランティアの人たちが乗船体験をさせてくれる。
わずか10メートル足らず動くだけなのだが、熱心にすすめられて、ほぼ全員が乗ってみた。
この日の参加者で最高齢と思われる88歳の女性は早々と手伝ってもらって舟に乗り込んだ。
好奇心の旺盛な人のようで感心させられた。
それから『青べか物語』に出てくる江戸川に面した船宿まで歩いた。
そこではシジミが安くてみんな買った。
小さいシジミだったがそのほうがおいしいそうだ。
翌朝シジミの味噌汁を作った。
小さいシジミの身を世話焼いていっぱいためて、濃厚にシジミの味がしみ出た汁をすすりながら、昔と同じ味わいに懐かしさを覚えた。
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