公園の樹
家の前の公園は予算がないとの理由で、剪定がなおざりにされるようになった。
それで樹々は生い茂るまま、強風に見舞われれば大量の葉を落とし、公園に沿う家々の庭に落ち葉を溜めさせるようになっている。
強風のあった翌日、隣の庭にうず高く落ち葉が積もっていた。
これはたまらないだろうと思った。
暫くたったある日、その家の真ん前の大半の落ち葉の元のモミジの中木の、家に近い側の半分が葉っぱの茂る部分がなくなるまで、切り取られていた。
でも半分は葉っぱが生い茂ったまま。
どうせ切るなら1本の樹ぐらい全部やればいいのにと、妙に思った。
後日隣の奥さんに会ったとき、どうしてあのような切り方になったのか尋ねた。
すると奥さんの言われるには、前々から何度も、市で剪定してくれるよう、自治会に申し入れていたが埒が明かない。
あの大量の落ち葉でどれほどの作業をしたか、もう我慢ならなくなって、同じような目に合っている向う隣の奥さんと二人で直接、市の公園課へ出向いたそうだ。
若い職員が話を聞いてくれたそうだが、翌日その職員が一人でやってきて、切ってくれたというのだ。
苦情、要望が多くて、予算の関係もあり、苦情を聞く係もつらいのだろう。
とは言っても、半分だけでほおっておくというのはどういうつもりなのか、モミジは不格好な姿をさらしている。
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