朗読一期一会
市の講座「朗読一期一会」が、6回で終了した。
先生は「来年は81歳になるので、3月の募集講座に載っていなかったら、私か家族が病気になったと思ってください」と言われた。
最終講座は、20数人の出席者が、それぞれ好きな詩などを朗読する。
私は、茨木のり子の詩集『倚りかからず』の中から、比較的長い「マザー・テレサの瞳」を朗読した。
『倚りかからず』は茨木のり子が73歳の時に作られたもので、その中に、この詩人の強靭な精神を表している一編がある。
”倚りかからず”
もはや できあいの思想には倚りかかりたくない
もはや できあいの宗教には倚りかかりたくない
もはや できあいの学問には倚りかかりたくない
もはや いかなる権威にも倚りかかりたくはない
ながく生きて 心底学んだのはそれぐらい
じぶんの耳目 じぶんの二本足のみで立っていて
なに不都合のことやある
倚りかかるとすれば それは 椅子の背もたれだけ
先生は「毎日、15分間朗読をしてください」と言われた。これを毎日の生活に組み込むには、余程の心構えが必要だ。
人生のお手本になるような良い先生に出会うことができた。
一期一会のご縁かもしれない。
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