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2019年7月 8日 (月)

懐紙入れと袱紗

新しくマナー講座に入会した人が、「懐紙入れを持っていないのでどこで買ったらいいでしょう」と先生に相談されていた。

正式な茶室でのお点前ではないし、みんな間に合わせの適当な小袋に入れたりしているのだが、その人はちゃんとした懐紙入れが欲しいらしかった。

私は煎茶点前をならっていた時に買ったのと、母が持っていた古いものだが、紙箱に入った未使用のものとがあった。それで使っていないほうのをあげることにした。

それで、次の稽古の時に上げるとたいへん喜ばれて、先生に見せられた。

すると、先生が「これと同じ袱紗を持っていますよ。こんど持ってきます」と言われて、また次の時に袱紗を持ってきて見せてくれた。

私が持っていた懐紙入れは何十年も前のものだが、先生の袱紗は使い古して折り目が擦り切れたりしている。西陣織で、模様が桐だとか、おめでたいものばかり織り込まれている。まったく同じ布で出来ているので、先生は「びっくりしました」と言われ、私も驚いた。

「大事に使わせてもらいます」と言われ、私もずっと眠らせていたものが今頃役に立てられてうれしいが、どうか擦り切れたりしないで長持ちしてくれたらいいが、とも思っている。

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