落とし物
以前、折り畳み傘を電車に置き忘れて、横浜まで取りに行ったことがあるので、二度と忘れないようにしようと、傘は手元から離さないよう気を付けていた。
それで傘を使用する際に残る傘袋は、バッグの底深くに仕舞いこんでおくことにしていた。
だから、傘袋が見えなくなったとき、どこかにあるはずだと、車の中を座席の下まで丹念に探し、バッグの中を見落としていないかと何度も調べた。
そして、これだけ探して見つからないのだから、落としてしまったに違いないと漸く気付いた。
気に入りの傘が袋なしのむき出しなのは、残念だ。あきらめきれない。
もしや、落とし物で届けられているかもしれないと思い至った。
それで、可能性のありそうなデパートへ電話したら、「似たようなモノが届けられています」と言われ、すぐに出かけたが、似てもなかった。
また2,3日して、次に行ったイオンにも確認してみようと思い、電話した。すると、「似たようなモノがあります」と言われた。
すぐにイオンに行ったら、書類に書いてある特徴が私のものとよく似ている。ところが、5日間たっていたので、警察署へ回したという。
そこから警察署へ回ると、『遺失物取扱所』は全員若い女性。
警察署は落とし物に厳重だ。
まず、書類を書いてくださいと言われた。「私のものでなかったら書類はいらないと思うので、確認したいのですが」というと、「お渡しする前に書類を書いてもらうことになっているので」という。で、特徴、落とした日、時間帯、住所、氏名など書いた。
「中身の傘をお持ちですか」「持ってこなかったんですが」また同じような書類を書いた。
財布も、たかが傘袋でも扱いは同じに順序を踏む。
やっと、最後の最後、見えないようにしていた覆いを取って渡してくれた。
「これです、これです!」「身分証明書を見せてください」と言われ、運転免許証を見せた。
やっと返してもらった。
黒地に黄色い小鳥と赤い花の柄入り、とはっきりした特徴がある。
苦労したけど、見つかってよかった!
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