様々な考え

前に住んで居た地区で一緒だった人と、生協で出会った。

買い物を終えて自分の袋に詰め替えていた。

ご主人を亡くされていたが、沢山の食料品をせっせと入れている。

「お一人暮らしですか？」「いいえ、3人です。息子二人と同居しています」

上の息子さんはうちの二男と中学が一緒だったからもう40代半ばを過ぎている。

「お二人とも結婚はされてないの？」

近頃は当たり前のようにある話だから、こんなことも失礼と思はず聞く。

「毎日会社に行ってるから、もう結婚しなくてもいいと思ってる。近頃は離婚が多いから、離婚されるよりは結婚しない方がいいと思って」

娘さんは大分前に結婚されたと聞いていた。「お孫さんは？」

「いない。孫がいるとお祝いやらお金がかかるようだし、孫もいらない」

「家も高いローンを払い続け、払い終えればリフォームにお金がかかるようになるから、借家のほうがよかったのかと思う」と、リフォーム代に苦心している様子だった。

自分に続く家系が絶えることや、息子さんたちの将来について、こんなにも恬淡としていられることに驚く。

今もパートでお掃除の仕事をしていると言っていた。

現実を乗り切っていくことに精いっぱいなのかもしれない。

これでいいのだと、自分を納得させようとしているみたいだ。