鎌倉の書道展へ行くのは取りやめに

 

　　　　　【私が居る間はずっとこの場所】

不用意にぬいぐるみを投げてしまって、クルに恐怖の記憶を呼び覚ましてしまった。

「ごはんよ」と声をかけると、フ～フ～と威嚇しながら出てきて、油断してないぞ、というところを見せてから食べ出す。

私は器に右手を添えて食べさせているのだが、左手が無意識に、ほんの数センチでも動くと飛びのいて後ずさりする。

敏感なものだ。

鎌倉で開催される、友達のかな書道展へ、3人で行くことになっていたが、緊急事態の期間が2週間ほど延長される見通しとなった。

とすれば、不要不急の外出は控えるよう促される中、年寄りが3人で書道展を鑑賞しに出かけるのは、憚られるような気持ちになる。

もう、出かけるのはやめることにした。

東京、千葉、神奈川に住んでいる3人なので、周囲を気にしながら電車を乗り継いで行かなくてはならない。

お互いに、大っぴらに気兼ねなくおしゃべりできるようになるまで、待っていようと思う。