柴犬の福ちゃん
家の前の公園で、狂犬病の予防注射が行われていた。
二階から見下ろすとグラウンドゴルフ仲間のMさんが飼っている柴犬の福ちゃんが、注射を嫌がって尻込みしているところだった。
公園に出て、「福ちゃん!」と呼び掛けると、いつもならじゃれついてくるのが、あまり喜ばない。
自分は怖い思いをしたし、周りに知らない犬を連れた人が集まってくるから興奮してそれどころではないのだろう。
福ちゃんは6歳の女の子。
Mさんは60代の男性で、2年間、昨年まで民生委員をしていたときに、世話をしていた60代の女性が飼っていた。
女性が、病気で福ちゃんを散歩に連れていけなくなってからは、Mさんが散歩を引き受けていた。
そして、女性が病癒えず、どこかへ移られるとき、散歩係になっていたMさんはそのまま福ちゃんを引き取って飼うことにした。
ガラス戸に犬用の小窓を作ってもらい、夏暑ければ部屋に入って涼み、冬寒ければ暖房のきいた部屋の布団の中にもぐっているという。
グラウンドゴルフからの帰り道に、外から『福ちゃん!』と呼び掛ければ、部屋の中から飛び出してきて、少しの間いっしょに遊ぶことにしていた。
全身で喜んでいる福ちゃんを見ていると、Mさんも福ちゃんに幸せをもたらされているのだと思う。
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