主治医の先生
私はいい主治医の先生に出会えたことを、本当に恵まれていたと感謝している。
まだ50才前後の先生は、診察室で最初に出会った時から、丁寧で言葉遣いも優しかった。
診察の際は、いつも「お待たせしてすみません。今日は新患が多かったもので・・」とか、
次の番で、診察を待っているとき、「S先生、救急患者の手術をお願いします」というアナウンスがあった。
その時もさらに1時間ほど待たされたが、「お待たせしてすみません。ひとつ手術をしてきました。こんなことは滅多にないんですが」
と、謝られた。
入院中のとき、肺の水が大分残っているとき、病室で局所麻酔をして、肺から水を抜くことになった。
この時は、若い医師が行った。
私がドキドキする中、S先生は手を握ってくれていて、いよいよ針を背中から入れる時には、しっかりと握りしめてくださった。
それほどの痛さではなかったが、先生の”一緒に頑張ろう”という思いが伝わって、半分はその気持ちで楽に感じた。
一日置いて、両肺で500ccほどの水が溜まっていた。
退院して、2回目の診察で、「心臓も小さくなっているし、心臓が大きいということは、心臓が余計に働いていることですから。
腎臓の数値もよくなっています」 「すばらしい」と褒めてくださった。
お医者さんというものは、実際の優秀な腕前と共に、患者に対する優しい心遣いも治療を助けるものだと思った。
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