« 岡山のマスカット | トップページ | 室生犀星の先見の明 »

2023年10月28日 (土)

主治医の先生

私はいい主治医の先生に出会えたことを、本当に恵まれていたと感謝している。

まだ50才前後の先生は、診察室で最初に出会った時から、丁寧で言葉遣いも優しかった。

診察の際は、いつも「お待たせしてすみません。今日は新患が多かったもので・・」とか、

次の番で、診察を待っているとき、「S先生、救急患者の手術をお願いします」というアナウンスがあった。

その時もさらに1時間ほど待たされたが、「お待たせしてすみません。ひとつ手術をしてきました。こんなことは滅多にないんですが」

と、謝られた。

入院中のとき、肺の水が大分残っているとき、病室で局所麻酔をして、肺から水を抜くことになった。

この時は、若い医師が行った。

私がドキドキする中、S先生は手を握ってくれていて、いよいよ針を背中から入れる時には、しっかりと握りしめてくださった。

それほどの痛さではなかったが、先生の”一緒に頑張ろう”という思いが伝わって、半分はその気持ちで楽に感じた。

一日置いて、両肺で500ccほどの水が溜まっていた。

退院して、2回目の診察で、「心臓も小さくなっているし、心臓が大きいということは、心臓が余計に働いていることですから。

腎臓の数値もよくなっています」 「すばらしい」と褒めてくださった。

お医者さんというものは、実際の優秀な腕前と共に、患者に対する優しい心遣いも治療を助けるものだと思った。

 

|

« 岡山のマスカット | トップページ | 室生犀星の先見の明 »