「存在のない子供たち」
レバノンの女性監督による映画「存在のない子供たち」はすばらしかった。
実際に起きている問題を広く世界に知らせ、社会問題として訴えるものだった。
主人公は、シリアから避難してレバノンに住んでいる12歳の少年。
ほとんどの出演者が実際の避難民たちだった。
昨年一般公開され、カンヌ映画祭で受賞した。
ネットで調べれば、映画の背景など詳しいことが紹介されている。
現在13歳になるシリア難民の少年は、6年前にシリアから逃れて難民となっていたが、この映画をきっかけに、現在、一家でノルウェーに移住し、安定した生活を送っており、これから学校に通うという。
その頃のことを「荒んでおり、喧嘩をふっかけていた」
「子供を見棄てる親はいっぱいいるよ。それなのにどうして子供を産むんだ」
映画の中で、難民から手数料をとって、スウェーデンかノルウェーへ出国させるという闇業者は、実は人身売買目的で、大勢を閉じ込めていた。
この悪役になった男性が(悪辣な人物を演じているにしては善良そうな顔をしていたが)、
「私たちの人生を表現してくれた」と、この映画が作られたことに感謝していた。
避難民の話はよく新聞やテレビで報道されるが、避難民は身分証明書を持っていないために、まともな職豪につけない。生きていくために子供も働かされる。
こんなにも人権を奪われた苦しい日々を強いられていることを、映画によって広く世界に訴えかけたこの映画は本当に素晴らしい。
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